アガサ・クリスティ 『ポケットにライ麦を』マザーグースの不気味さを味わう〜アガサ・クリスティ 2023-01-18 被害者の遺体のポケットにはライ麦が入っていた。 日本的に言えば米粒が入っていたようなものか。 ポケットにライ麦。なぜ? 非常に奇妙で、その理由を知りたくなります。
アガサ・クリスティ アガサ・クリスティ『死への旅』ボリス・グリドルはなぜ危険だったのか? 2023-01-12 1954年に刊行されたアガサ・クリスティの『死への旅』。 本の紹介文には「会心の冒険スパイ小説」とか書かれていて、そう言われるとなんか陳腐そうでなんとなく面白くなさそうな雰囲気を感じてしまうんですが。 面白かったです。 夫に捨てられ娘に死なれて絶望した女性が睡眠薬で自殺...
アガサ・クリスティ 『愛国殺人』ポアロの主義を再確認する〜アガサ・クリスティ 2022-12-26 「愛国」と聞くと、日本人は何を思い浮かべるんだろう。 私は未だにこの言葉の意味をよくつかめていない。 『愛国殺人』は、アガサ・クリスティの全盛期といわれる時期に書かれた作品の1つで、1940年、第二次世界大戦中に刊行されています。 「擲弾兵(てきだんへい)」のよう...
アガサ・クリスティ 『検察側の証人』ショッキングすぎる結末に呆然~アガサ・クリスティ 2022-12-21 アガサ・クリスティの 『検察側の証人』 は、もともと『死の猟犬』という短編集に小説として収録され、その後戯曲として書き直された作品です(1953年初演)。 訳者あとがきには、 「彼女の戯曲としては最高傑作と言えるだろう」 と書かれています。 この作品は、先日読んだアガ...
アガサ・クリスティ 『複数の時計』突っ込みどころ満載だけど楽しめる1冊~アガサ・クリスティ 2022-12-15 原題は "The Clocks" 。事件現場に置かれていたのは、4時13分に合わせられた複数の時計。 一応ポアロシリーズということになっていますが、他の作品に比べるとポアロの登場シーンは圧倒的に少ないです。 現場付近を偶然通りかかった秘密情報部員のコ...
アガサ・クリスティ 『蒼ざめた馬』その意味は? 魔術で人は殺せるか~アガサ・クリスティ 2022-09-22 アガサ・クリスティ『蒼ざめた馬』を読みました。 テーマは「魔術で人を殺せるか?」。殺せるわけはないはずなのに、ターゲットらしき人々が実際に病気にかかって死んでいる。 魔術が行われるのは、3人の女が住む館 「蒼ざめた馬」 。 主人公がおとりで魔術を依頼してみると、おとりタ...
アガサ・クリスティ 『招かれざる客』読みにくさを超える戯曲!アガサ・クリスティ 2022-09-09 初めてアガサ・クリスティの戯曲を読みました。 戯曲って読みにくいですよね。 舞台の台本の形式で書かれていますが、セリフと説明が入り混じっているから小説のように読めないし、苦手意識があって長い間読んでこなかったんですが。 今回たまたま『招かれざる客』を手に取ってみたら、思...
アガサ・クリスティ 『ハロウィーン・パーティ』リンゴ食い競争って?派手さはないが、非常に練られたストーリー 2022-09-01 アガサ・クリスティの『ハロウィーン・パーティ』。 子どもたちを集めて開催されたハロウィーンパーティで、13歳の子どもが殺される。しかも、バケツの水に頭を押し込まれて。 こんなあらすじを聞いて、読みたいと思う人がいるのかどうか...。 子どもが被害者だなんて胸クソ悪い話...
アガサ・クリスティ 『雲をつかむ死』ポアロが乗り込む飛行機内での殺人事件〜アガサ・クリスティ 2022-07-20 アガサ・クリスティの『雲をつかむ死』。ポアロが乗り込んだ飛行機内での殺人事件です。 11人の客が乗り込む後部座席の狭い空間で、犯人は誰にも見られずに一体どうやって犯行を遂げたのか? 閉鎖空間でのトリックもので、なかなか面白い。 自分の座席から犯行道具が見つかったために、...
アガサ・クリスティ 『パディントン発4時50分』ミス・アイルズバロウが選んだのは誰か? 2022-07-13 アガサ・クリスティ『 パディントン発4時50分 』を読みました。ミス・マープルのシリーズですが、マープルはあんまり出てこない。 主役はほぼ、超有能な家政婦ミス・アイルズバロウでした。 「並走する汽車の中から殺人を目撃する」という導入は面白かったし、登場人物も魅力的だし、犯...