アガサ・クリスティ 『満潮に乗って』の意味は...遺産をめぐる人間模様と男女のドラマ 2023-09-29 アガサ・クリスティの 『満潮に乗って』 を読みました。ポアロシリーズです。 ある大富豪が、遺言を残さないまま空襲により急死。 莫大な財産を相続した若い未亡人と、遺産の恩恵を受けられずに困窮する一族。 そして、婚約中の男女の前には危険な男が現れる。 とても面白かったです。...
アガサ・クリスティ 『ゴルフ場殺人事件』ポアロ2作目の謎解きは超親切設計だった 2023-02-08 『ゴルフ場殺人事件』はアガサ・クリスティの三作目、ポアロが登場する二作目の作品です。(1923年刊行) 久しぶりにヘイスティングズが登場するポアロの初期作品を読んだんですが、ちょっと驚き。 こんなに親切にポアロが謎解き解説していたとは!! 一作目のスタイルズ荘がど...
アガサ・クリスティ マザーグースが使われたアガサ・クリスティ作品 2023-01-30 アガサ・クリスティは作品の題材としてマザーグースを好んで使用しています。 マザーグースとはイギリスで古くから伝承されてきた童謡です。子守歌や子供たちの遊び歌などがあり、イギリス・アメリカで広く親しまれ教養の基礎ともなっているようです。 私自身はマザーグースなんてほと...
アガサ・クリスティ 『愛国殺人』ポアロの主義を再確認する〜アガサ・クリスティ 2022-12-26 「愛国」と聞くと、日本人は何を思い浮かべるんだろう。 私は未だにこの言葉の意味をよくつかめていない。 『愛国殺人』は、アガサ・クリスティの全盛期といわれる時期に書かれた作品の1つで、1940年、第二次世界大戦中に刊行されています。 「擲弾兵(てきだんへい)」のよう...
アガサ・クリスティ 『複数の時計』突っ込みどころ満載だけど楽しめる1冊~アガサ・クリスティ 2022-12-15 原題は "The Clocks" 。事件現場に置かれていたのは、4時13分に合わせられた複数の時計。 一応ポアロシリーズということになっていますが、他の作品に比べるとポアロの登場シーンは圧倒的に少ないです。 現場付近を偶然通りかかった秘密情報部員のコ...
アガサ・クリスティ 『ハロウィーン・パーティ』リンゴ食い競争って?派手さはないが、非常に練られたストーリー 2022-09-01 アガサ・クリスティの『ハロウィーン・パーティ』。 子どもたちを集めて開催されたハロウィーンパーティで、13歳の子どもが殺される。しかも、バケツの水に頭を押し込まれて。 こんなあらすじを聞いて、読みたいと思う人がいるのかどうか...。 子どもが被害者だなんて胸クソ悪い話...
アガサ・クリスティ 『雲をつかむ死』ポアロが乗り込む飛行機内での殺人事件〜アガサ・クリスティ 2022-07-20 アガサ・クリスティの『雲をつかむ死』。ポアロが乗り込んだ飛行機内での殺人事件です。 11人の客が乗り込む後部座席の狭い空間で、犯人は誰にも見られずに一体どうやって犯行を遂げたのか? 閉鎖空間でのトリックもので、なかなか面白い。 自分の座席から犯行道具が見つかったために、...
アガサ・クリスティ 『マギンティ夫人は死んだ』登場人物の相関図つくってみた~アガサ・クリスティ 2022-06-20 アガサ・クリスティの42作目『 マギンティ夫人は死んだ 』。 いやぁ、長かった。最後まで読み終わったあと、冒頭の部分を読んだのはいったい何十年前だろう? と感じるほど。 なんか、いろんなことがありすぎて...。 とりあえず登場人物がめちゃくちゃ多いので、相関図を作って人...
アガサ・クリスティ 『ひらいたトランプ』容疑者は前科ありの4人~アガサ・クリスティ 2022-06-06 久しぶりに、面白さで興奮したアガサ・クリスティ作品でした。 面白い作品はいろいろあるけど、「ほぼこの人が犯人なのね!」と思わせたところからここまで連続して驚かされると、一人で読みながら「えーっ!」と声を出してしまうのもしかたないと思う。 電車の中で終盤を読んでいたら乗り...
アガサ・クリスティ 『葬儀を終えて』古典的だけど裏切らない アガサ・クリスティの王道ミステリー 2022-05-16 解説の方が「私のクリスティー・ベスト1」と推す、アガサ・クリスティの『 葬儀を終えて 』。 1953年に刊行されていて、アガサ・クリスティ作品としては44作目、ポアロものとしては25作目の小説です。 私の中でベスト1かというとそこまでではないかなぁという感じですが、読者を...