スペイン語の接続法過去の使い方と活用

スペイン語の接続法過去の使い方と活用

スペイン語の接続法過去の使い方と活用

今回は、スペイン語の接続法過去の使い方について。

直説法や接続法現在との意味の違い、使い分けを中心にまとめました。

なお、接続法過去の活用には -ra 形と -se 形の2種類がありますが、どちらも意味はほぼ同じです。

活用を先に確認したい方はこちら接続法過去の活用形

私は中南米で生活していたときは会話で -se 形が出てくることはなく、もっぱら -ra 形が使われていました。-se 形は書き言葉でのみ目にしました。

基本的には -ra 形を覚えれば良いと思いますが、文章などで -se 形が出てきたときに「これは接続法過去の活用だな」と認識できる必要はあります。

目次

スペイン語の接続法過去の使い方

主節の動詞が過去形のとき(時制の一致)

感情、願望、疑念、命令、提案、禁止などを表す動詞が主節で使われるとき、従属節は接続法になります。

このとき主節の動詞が過去形だと、時制の一致のため従属節も接続法過去になります。

La maestra me aconseja que compre unos cuadernos.
先生は私に何冊かノートを買うようアドバイスする。

La maestra me aconsejó que comprara unos cuadernos.
先生は私に何冊かノートを買うようアドバイスした。

Es raro que Luis esté en el parque a estas horas.
ルイスがこんな時間に公園にいるのは妙だ。

Era raro que Luis estuviera en el parque a estas horas.
ルイスがこんな時間に公園にいるのは妙だった。

従属節は、動詞が接続法過去になっても過去のことを表すわけではありません。

明示はされませんが、主節の動詞から見て文脈上は現在・未来のことを表しており、日本語では現在形のまま訳します。

Ana apagó la luz para que se durmiera bien su hija.
アナは娘がよく眠れるように電気を消した。

Me recomendó que viera ese anime.
彼にそのアニメを見るようおすすめされた。

Nos prohibieron que entráramos en la habitación.
私たちはその部屋に入ることを禁じられた。

主節の動詞よりもさらに過去に起きたことは、接続法過去完了を使って表します。詳細は以下記事にまとめています。

スペイン語の接続法過去完了の使い方

スペイン語の接続法過去完了の使い方

スペイン語の接続法過去完了は、過去のある時点よりさらに過去に完了したことを、話者が感情や疑念を込めて表現するときに使います。

実現可能性の低い願望「〜だったらなぁ」(Ojalá que ...)

Ojalá を使って願望を表すときには接続法を使いますが、願望の実現性が低いときは接続法過去を使います。

¡Ojalá que tuviera mucho dinero!
お金がたくさんあったらなぁ。
(お金をたくさん持てる見込みはない)

¡Ojalá que mis hijos arreglaran sus habitaciones!
息子たちが部屋を片付けてくれたらなぁ。
(母は、息子たちが片付けるとは思っていない)

期待の持てる願望の場合は、接続法現在を使います。

話者がどう思っているかによって、接続法現在か接続法過去かを選びます。

Ojalá me regalen ese anillo para mi cumpleaños.
その指輪を誕生日にプレゼントしてくれたらなぁ。
(期待を持っている)

Ojalá me regalaran ese anillo para mi cumpleaños.
その指輪を誕生日にプレゼントしてくれたらなぁ。
(期待を持っていない)

¡Ojalá mi mamá regrese temprano!
ママが早く戻ってきてくれたらなぁ。
(期待を持っている)

¡Ojalá mi mamá regresara temprano!
ママが早く戻ってきてくれたらなぁ。
(子どもはママが早く戻ってきてくれる可能性は低いと思っている)

Ojalá que 〜と文を続けても Ojalá 〜 とそのまま文を続けても、意味は変わりません。どちらでも OK です。

「まるで〜のように」(Como si ...)

Como si ...「まるで〜のように」は、よく出てくるスペイン語表現です。

Como si 以下の動詞は、接続法過去か接続法過去完了しか使えません。

接続法過去の場合は「まるで〜のように」、
接続法過去完了の場合は「まるで〜であったかのように」という意味になります。

Pepe no sabe nada sobre este problema.
ペペはその問題について何も知らない。

Pero habra como si supiera todo. (接続法過去)
しかし、すべてを知っているかのように話す。

Pero habra como si hubiera visto todo. (接続法過去完了)
しかし、すべてを見たかのように話す。

Él se siente como si estuviera dormido .
彼はまるで眠っているかのように座っている。

Los muchachos jugaron como si fueran niños.
青年たちは、まるで子どものように遊んだ。

関連記事スペイン語の接続法過去完了の使い方(まるで〜であったかのように)

現在の事実と異なる仮定「もし〜だったら...」(Si + 接続法過去)

「もし〜だったら、〜するだろう」と、現在の事実とは異なる仮定、現実的ではない仮定を表すときに接続法過去を使います。

このとき、帰結節は過去未来形を使います。

Si tuviera tiempo, iría al cine.
もし時間があれば、映画館に行くだろう。(実際には時間がない)

時間があったら映画館に行きたいが、実際には時間はないので行けないだろう、ということを表す文章です。

意味に注意

帰結節の iría al cine の部分は「映画館に行っただろう」という過去の意味ではないので注意しましょう。

「映画館に行っただろう」と言いたい場合は、次のように接続法過去完了過去未来完了を使います。

Si hubiera tenido tiempo, habría ido al cine.
時間があったら、映画館に行っただろう。
(実際には時間がなくて、行かなかった)

関連記事スペイン語の接続法過去完了の使い方(過去の事実とは異なる仮定)

仮定の条件文は直説法でも使われますが、直説法では現実的な仮定を表します。

Si tengo tiempo, voy al cine.
もし時間があれば、映画館に行く。(実際に時間がありそう)

実現しそうな仮定、現実的な仮定は直説法、
現在の事実に反した仮定、非現実的な仮定は接続法過去、と覚えます。

Te prestaría mi coche si no estuviera descompuesto.
もし壊れてなかったら、私の車を君に貸すんだけど。
(実際には車が壊れてるので貸せない)

Si terminara el trabajo, saldría de vacaciones.
もし仕事が終わるなら、休暇に行きたいんだけど。
(実際には仕事は全く終わりそうにないので、休暇を取るのは無理だろう)

Si fuera millonario, viajaría por el mundo.
もし自分が大富豪だったら、世界中を旅するだろう。
(実際には大富豪なんてなれるわけないが)

¿Qué harías si tuvieras alas?
もし翼があったら何をする?(実際に翼を持つことはありえないが)

実現性の低い譲歩「たとえ〜だとしても...」(Aunque + 接続法過去)

Aunque は、直説法が続く場合は逆説の意味ですが、接続法が続く場合は「たとえ〜でも」という譲歩の意味になります。

Aunque tengo suficiente dinero, no compro esa casa.
十分なお金はあるが、その家は買わない。
(事実、お金はある)

Aunque tenga suficiente dinero, no compraré esa casa.
十分なお金ができたとしても、その家は買わないだろう。
(十分なお金を持てるかどうかはわからないが、可能性はある)

Aunque tuviera suficiente dinero, no compraría esa casa.
十分なお金ができたとしても、その家は買わないだろう。
(そんなに十分なお金を持てる可能性は、ほぼないが)

接続法現在と接続法過去の違いは、「たとえ〜でも」の内容が現実的かどうかです。

話し手が現実的だと思っていれば接続法現在、実現性が低い・事実に反すると考えている場合は接続法過去になります。

Aunque llueve, no suspenden el excursión.
雨は降っているが、遠足は中止にならない。
(現在の事実)

Aunque llueva mañana, no suspenderán el excursión.
明日雨が降ったとしても、遠足は中止にならないだろう。
(話者は、雨が降るかはわからない、降るかもしれないと考えている)

Aunque lloviera mañana, no suspenderían el excursión.
たとえ明日雨が降ることがあっても、遠足は中止にならないだろう。
(話者は、雨はほぼ降らないだろうと考えている)

スペイン語の接続法過去の活用形

- ra 形と - se 形の規則動詞の活用をまとめておきます。

- ra 形
hablar comer vivir
yo hablara comiera viviera
hablaras comieras vivieras
él hablara comiera viviera
nosotros habláramos comiéramos viviéramos
vosotros hablarais comierais vivierais
ustedes hablaran comieran vivieran
- se 形
hablar comer vivir
yo hablase comiese viviese
hablases comieses vivieses
él hablase comiese viviese
nosotros hablásemos comiésemos viviésemos
vosotros hablaseis comieseis vivieseis
ustedes hablasen comiesen viviesen
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