本の感想 古典的だけど裏切らない『葬儀を終えて』アガサ・クリスティの王道ミステリー 2022/05/16 解説の方が「私のクリスティー・ベスト1」と推す、アガサ・クリスティの『 葬儀を終えて 』。 1953年に刊行されていて、アガサ・クリスティ作品としては44作目、ポアロものとしては25作目の小説です。 私の中でベスト1かというとそこまでではないかなぁという感じですが、読者を...
本の感想 『鏡は横にひび割れて』とテニスンの詩を読む 2022/03/08 『 鏡は横にひび割れて 』は、1962年に出版されたアガサ・クリスティの推理小説で、老婦人ミス・マープルが探偵役となるシリーズの1つです。 この本のタイトル『鏡は横にひび割れて』は、イギリスの詩人 テニスン の『 The Lady of Shalott(レディ・オブ・シャロ...
本の感想 アガサ・クリスティ『白昼の悪魔』典型的なのに面白い不思議 2022/02/25 夏。小島のビーチリゾート。 美貌と完璧なスタイルを持ち、浜辺にいる全男性の視線を集める一方で、全女性の存在を霞ませ、女性からはことごとく嫌われる元舞台女優。 そして殺人事件。 物語の舞台も中心人物も、よくありそうな典型的な設定。 なのになぜ、こんなに面白いのか? ...
本の感想 『メソポタミヤの殺人』新訳・旧訳読み比べ/アガサ・クリスティ 2022/02/08 アガサ・クリスティのなかで一番面白い作品は? と聞かれたら私は『アクロイド殺し』なんですが、一番好きな作品は? と聞かれたら『 メソポタミヤの殺人 』なんです。 メソポタミアの遺跡発掘現場っていう舞台にまず異境的な魅力を感じるし、語り手であるミス・レザランの語り口に引き込ま...
本の感想 アガサ・クリスティ『五匹の子豚』紹介&読書感想 2022/01/20 「5匹の子豚? 家畜を飼ってるような田舎の農家が舞台なのかな?」 なーんて最初は思いましたが、全然違いました。 五匹の子豚 は、 5人の容疑者 です。 マザーグース「五匹の子豚」に出てくる子豚になぞらえて、容疑者が表現されていたのでした。 目次
本の感想 アガサ・クリスティ『終りなき夜に生れつく』紹介&読書感想 2022/01/10 アガサ・クリスティが描く探偵といえばエルキュール・ポアロかミス・マープルですが、その2人が出てこない作品もあります。 『終りなき夜に生れつく』 も、探偵が登場しない作品のうちの1つ。 この作品、途中までは正直少し退屈でした。 読んでる途中、もしかして『春にして君を離れ』...
本の感想 アガサ・クリスティ『動く指』紹介&読書感想 2021/12/03 『 動く指 』は、アガサ・クリスティ自身が挙げた自薦十作品のうちの1つだそう(本書解説より)。 読後の印象は「おもしろかった」より「良い話だった」というほうが強い。ストーリーも小説の舞台も、なんだかドラマか映画を観ているような、そんな作品でした。 ロマンス要素多めのミ...
本の感想 アガサ・クリスティ『ヒッコリー・ロードの殺人』紹介&読書感想 2021/12/01 推理小説はいつもこの人が犯人かな〜なんて考えながら読むのですが、アガサ・クリスティの作品で犯人を当てられたことがない。いやまぁ、ミステリーが好きなわりに誰の作品でもほとんど当てられないんですがw 毎回毎回自分の想像を何重にも超えてくる話の展開と魅力的な人物描写があるから、ア...