本の感想 黄蜂と毒針と吹矢筒と...『雲をつかむ死』アガサ・クリスティ 2022/07/20 飛行機内での殺人事件です。 11人の客が乗り込む後部座席の狭い空間で、犯人は誰にも見られずに一体どうやって犯行を遂げたのか? 閉鎖空間でのトリックもので、なかなか面白い。 自分の座席から犯行道具が見つかったために、あやうく犯人にされそうになったポアロが事件に取り組みます...
本の感想 『パディントン発4時50分』ミス・アイルズバロウが選んだのは誰か? 2022/07/13 アガサ・クリスティ『 パディントン発4時50分 』を読みました。ミス・マープルのシリーズですが、マープルはあんまり出てこない。 主役はほぼ、超有能な家政婦ミス・アイルズバロウでした。 「並走する汽車の中で殺人を目撃する」というつかみは面白かったし、登場人物も魅力的だし、犯...
本の感想 『マギンティ夫人は死んだ』アガサ・クリスティ 2022/06/20 アガサ・クリスティの42作目『 マギンティ夫人は死んだ 』。 いやぁ、長かった。最後まで読み終わったあと、冒頭の部分を読んだのはいったい何十年前だろう? と感じるほど。 なんか、いろんなことがありすぎて...。 まさに、熱戦を繰り広げた将棋の棋士が「一局を振り返っていか...
本の感想 『ひらいたトランプ』容疑者は前科ありの4人~アガサ・クリスティ 2022/06/06 久しぶりに、面白さで興奮したアガサ・クリスティ作品でした。 面白い作品はいろいろあるけど、「ほぼこの人が犯人なのね!」と思わせたところからここまで連続して驚かされると、一人で読みながら「えーっ!」と声を出してしまうのもしかたないと思う。 電車の中で終盤を読んでいたら乗り...
本の感想 古典的だけど裏切らない『葬儀を終えて』アガサ・クリスティの王道ミステリー 2022/05/16 解説の方が「私のクリスティー・ベスト1」と推す、アガサ・クリスティの『 葬儀を終えて 』。 1953年に刊行されていて、アガサ・クリスティ作品としては44作目、ポアロものとしては25作目の小説です。 私の中でベスト1かというとそこまでではないかなぁという感じですが、読者を...
本の感想 『鏡は横にひび割れて』とテニスンの詩を読む 2022/03/08 アガサ・クリスティの『 鏡は横にひび割れて 』(1962年)は、老婦人ミス・マープルが探偵役となるシリーズの1つ。 本のタイトルは、『 The Lady of Shalott 』(レディ・オブ・シャロット)という テニスン の詩から引用されています。 小説内では詩の詳しい...
本の感想 アガサ・クリスティ『白昼の悪魔』典型的なのに面白い不思議 2022/02/25 夏。小島のビーチリゾート。 美貌と完璧なスタイルを持ち、浜辺にいる全男性の視線を集める一方で、全女性の存在を霞ませ、女性からはことごとく嫌われる元舞台女優。 そして殺人事件。 物語の舞台も中心人物も、よくありそうな典型的な設定。 なのになぜ、こんなに面白いのか? ...
本の感想 『メソポタミヤの殺人』新訳・旧訳読み比べ/アガサ・クリスティ 2022/02/08 アガサ・クリスティのなかで一番面白い作品は? と聞かれたら私は『アクロイド殺し』なんですが、一番好きな作品は? と聞かれたら『 メソポタミヤの殺人 』なんです。 メソポタミアの遺跡発掘現場っていう舞台にまず異境的な魅力を感じるし、語り手であるミス・レザランの語り口に引き込ま...
本の感想 アガサ・クリスティ『五匹の子豚』紹介&読書感想 2022/01/20 「5匹の子豚? 家畜を飼ってるような田舎の農家が舞台なのかな?」 なーんて最初は思いましたが、全然違いました。 五匹の子豚 は、 5人の容疑者 です。 マザーグース「五匹の子豚」に出てくる子豚になぞらえて、容疑者が表現されていたのでした。 目次
本の感想 アガサ・クリスティ『終りなき夜に生れつく』紹介&読書感想 2022/01/10 アガサ・クリスティが描く探偵といえばエルキュール・ポアロかミス・マープルですが、その2人が出てこない作品もあります。 『終りなき夜に生れつく』 も、探偵が登場しない作品のうちの1つ。 この作品、途中までは正直少し退屈でした。 読んでる途中、もしかして『春にして君を離れ』...